2011年07月19日

4月9日開催のFAQ

4月9日に緊急開催しました福島第一原発事故とどう向き合うかの質問への回答です

みなさま、大変遅くなりましたが、4月9日に開催した講座の伴先生への質問への回答を、FAQとして掲載します。

伴先生は事故以来、大変忙しく6月になってやっと捕まえて質問への回答を寄せてもらいました。時間が経過してしまい、事実が回答より先に見えてしまったものもありますが、一覧にして掲載します。なお、似通った質問はまとめさせていただいた部分もありますのでご了承下さいませ。(来島)


Q1
エリア的に影響は違うのか。関東圏は。
この状態での汚染の拡大は?西日本は。
福島第一原発以外の原発近辺の生産物の放射線量はどれくらい?大学の実験室は?

A1
明言できないが、現在の関東圏はほぼ通常値のため、今から関東圏外へ行く必要はないと思います。エリア的には、近いから汚染されるというよりは、地形や気象条件で異なるので、確定的なことはいえません。

汚染の拡大は、遠方ではなく、近隣の汚染量が濃くなっていくことが予想されます。状況が悪化しなければ、近隣以外では下がっていくと考えられます。
西日本では微量の飛散はありえますが、長期的な影響はほぼないです。

原発は、通常運転では生産物の汚染は極めて少なく、検出限界以下です。セシウムは通常運転では大気中にでてこないと考えてよいと思います。
実験室も厳重に管理されているので、放射能が外に出ることはないと思います。


Q2
最悪の事態は、どうなるのか。そのとき関東圏ではどうすれば?
福島第一原発は冷温停止(100度以下にすること)できるのか。
5,6号機は?いま残った燃料どか、その後の処理は?
海外の専門家は処理に参加?

チェルノブイリと比較した場合の汚染状況を教えてほしい

炉をとめてすぐならば、燃料棒の熱を使って(すくなくとも蒸気が出ているのですから)発電できると思うのですが、その電気を冷却ポンプに使うというわけにはいかないのですか?(素人考えですみません)

A2
最悪はメルトダウンが進み、冷却も何もできない状態に。その場合は関東圏も高濃度の汚染が予想されるので、強制退去とか屋内退避とかの事態になるので、逃げるしかないです。
東電は9ヶ月で冷温停止状態にすると発表しています。実際はもっと時間がかかるかもしれません。汚染水保管場所の問題はありますが、5・6号も電気系統が健全であれば大丈夫かと思います。燃料の冷却は5年とも10年とも。放射能は時間の経過とともに減少するので待つしかありません。長くおけば解体作業は楽になります。また海外の専門家はアドバイザーや技術協力として後方支援しています。

チェルノブイリの事故は爆発で一瞬にして広範囲に汚染が広がりました。今回は長期的ですが汚染範囲は狭いといえます。今後も大きな変化はなく、放射能汚染の範囲と拡大は、遠方ではなく、近隣の汚染量が濃くなっていくことが予想されます。
なお、チェルノブイリでは石棺をつくりましたが、福島ではその前に冷却システムの回復が急務です。

緊急停止した場合は、タービンも停止するのでタービンに蒸気は送られません。したがって、燃料棒の余熱を冷却ポンプに使用することはシステム的に不可能です。ロシアがチェルノブイリ後にそういった実験をしましたが、成功していません。数十秒は可能のようですが、継続して冷却するシステムを作ることは難しいです。


Q3
東電、政府の対応が後手に回っているのは何故でしょうか?
事故は予見、あるいは予防できなかったのか。
東電や国の対応はどうなのか。SPEEDIはどうなった。
マスコミの情報も、どうすべきかが欠落してないか。
情報はどうやって収集すれば?
伴さんはテレビ出演の際は、圧力ありましたか?
また、原発で得をするのは誰?その構造は?

A3
後手に回っている理由は3つあります。
@想定外なので、対応が手探りである。
A東電も政府も事故を小さく見せたいため、対処を妨げている可能性がある。
B東電の身内意識から、外からの意見を寄せ付けず、対応が遅くなった。
事故は予見できたかもしれませんが、格納容器の強度やタービン建屋の漏水対策は不十分だったかもしれません。ほかのことはわかりません。
SPEEDIは公表を始めました→ http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html
情報収集は、違う意見を探して両方見比べることでわかることもあるでしょう。

テレビ出演の圧力はありませんでした。過激なこと言ってませんので・・。
原発で得をするのは、原子力発電のメーカー、利権が絡む省庁、東電の三者。それに国会議員が絡むこともあるかもしれません。


Q4
子どもを外で遊ばせてよいか。子どもを守るために何をしたらよいか。子どもをレントゲン受けさせてよいか。
雨はどの程度気をつけたらよいのか。
雨で地面に落ちた放射線や放射性物質はどこに行く?アスファルトなど地面に蓄積するのか?関東の都市部ではどうか?
洗濯ものは外に干しても問題ないか?

A4
内部被爆は、避けられるなら避けた方がよい。そのためには公表数値などをある程度把握して対応していくしかないです。
外部被爆は、関東圏はほぼ平常値なので大丈夫かと。ただ、雨にあたったりとか、どろんこ遊びなどは避けた方がいいかもしれません。また、行政に表土を削るように求めるとか、子供を地面や芝生の上で転がって遊ばせないとかいった工夫が必要かもしれません。
レントゲンで内部被爆は積算されますが、健康診断などではなく、手術などで定期的に受けられるのであれば、担当医師との相談をおすすめします。

通常に雨に当たらないようにすればよいでしょう。もともと、過去の核実験の影響などで、雨の日は放射線量が少し高めでした。
地面に落ちた放射性物質は、データがないため不明です。福島の事故の前も含め蓄積しているはずですが、そういった痕跡は認められていません。
布団干しは、現在は問題ありません。


Q5
ヨウ素とセシウム以外の放射性物質はどうなっているのか。
事故前にもヨウ素、セシウムは検出されていたのか。
被ばくの影響は人体にどう出るのか。

A5
ヨウ素・セシウムは、比較的簡単に計測できるため、指標になっています。それ以外は不明ですが、ストロンチウムやプルトニウムが広範囲(たとえば50キロ圏より外)に農産物を汚染しているとは考えにくいです。
事故前の検出は、検出限界値以下の非常に低い数値で、核実験やチェルノブイリ事故の影響によるものです。
IAEAが正式に因果関係を認めているのは、ヨウ素による甲状腺ガンのみですが、調子が優れない・風邪を引きやすい・風邪の治りが遅い等、免疫が弱くなるということもチェルノブイリ事故後の影響として報告されています。今回も同様のことが起こりえますが、チェルノブイリより範囲は小さく、東京近郊ではないと思います。
放射性物質は、永久に貯まることはありません。セシウムの半減期は30年ですが、体内では代謝するので、生物学的半減期は100日程度です。毎日の取り込む量によって体に蓄積する量が異なります。


Q6
ベクレルとシーベルトの関係は。

放射線と放射能の関係は。
※1ミリシーベルトの放射線の中に決まった割合でヨウ素やセシウム等が含まれると考えてよいのですか。

A6
ベクレル…放射性物質が放射能を出し、違う物質に変わる割合で「壊変(かいへん)」といい、1秒ごとに1個壊れる。ひとつ壊変することを1ベクレルといいます。
シーベルト…壊変によってでる放射線によって人間が被ばくする影響の度合いを表しています。

放射線は放射能からでてくるもの。放射能というのは、放射線をだす能力をもっている物質のことです。
いつも決まった割合ではないのですが、今回の事故で爆発によって出たヨウ素とセシウムは決まった割合で存在します。ただし二つの物質は半減期が異なり、時間の経過とともに割合は変化します。


Q7
外部被ばくと内部被ばくの合計方法を教えてください。

トータルでどれぐらいまでならリスクがないのか。
発ガン要因は他にもあるので、実際はもっと高い確率でガンになると考えるのが妥当?

A7
外部被ばくは、新聞発表の各自治体の空間線量(/時間)の数値を使うしかありません。
内部被ばくは、各自治体発表の食べ物(ベクレル/kg)に食べた量をかけ算すると計算できます。現在は呼吸による被ばくを加味する必要はないと思います。
というように、理論上はいろいろな被ばくを足し算すればよいです。

リスクがゼロになることはありません。例えば1mmSV被ばくした結果、ガンになるリスクは1/10,000というデータもありますが、個人差もあります。
他にも発ガン要因があるという指摘はその通りですが、その相乗効果については不明ですが放射線を受けた分のリスクは加算されます。
発ガン物質を摂取する/アスベストの問題/レントゲンをとるなど・・。


Q8
年間被ばく限度量とは、外部被ばくか内部被ばくの合計のことか?
1年経過したらリセットされてゼロに戻るといえるのか?
年間だけではなく、被ばく生涯限度を考える必要はない?

年齢によって基準値が異なる?40歳以上は被ばくの影響なし?

A8
両方をあわせた値です。1年経過してもリセットされず蓄積されますが、食べた瞬間の被ばく量ではなくそれを食べたことによって生涯これだけの被ばくになるという計算式です。なお、生涯とは50年くらいを念頭においています。

年齢によって放射線を受ける影響は違い、若い人ほど強く受けます。子供の場合は大人の4倍程度ともいわれます。40歳以上でも影響はありますが、子供と比較した際に、その現れ方が緩やかということです。


Q9
避難区域は全身50mSV以上。これは職業人の年間許容量を一瞬にして受けているということを意味していますか?
職業人の外部被曝について。年月が経てばまた仕事ができる?

A9
全身50mmSVの被ばくが「予測されるときに」避難区域となります。
あくまで、高い被ばくを受ける可能性があり、それを避けるための避難です。避難せずにそこにとどまれば、職業人の年間許容量に達する可能性がありますが、必ずしも一瞬ではないと思います。

原発で働く職業人は、年間被ばく限度をこえないように管理しています。職業人の被ばくについて、5年間で100mmSVなおかつどの年も50mmSVを超えないという二重の基準です。例えば2年連続で50mmSVを超えてしまった場合はあとの3年は仕事が出来なくなります。しかし、3年経過するとまた仕事が出来るようになるのが今の法律です。


Q10
国の基準は甘いと認識しながら流通する大地を守る会にとって一番大切なことは何?独自基準はつくらないのか。

原発被害に遭う生産者を被爆しながらの買い支え、でなく、ほかの方法で支えられないか。

A10
大地を守る会は平時においては、セシウムで37ベクレル/kgを警戒基準として設定し、それを超えた場合に流通可否を検討することとしていました。残念ながら放射能の広がりが完全におさまらない現状では、「暫定的に」国の基準値を指標に運用しながら現実的な被爆の積算について考えていく段階だと思います。基準については、専門家の間でもさまざまな議論があり、大地を守る会としても現時点では定められません。いまできることは、まず自主測定体制を確立し、自らの手で産地や農地で何が起きているのかを把握し、その測定結果をお知らせすることだと考えます。

生産者が被爆しながらも農作業を続けるのは、毎日耕してきた土地をすぐに捨てられない、あきらめられない、という想いからだと思います。私たちができることは、そうした作物を食べたり、食べられなくても義援金などで支援したり、ということだと考えてます。大地を守る会では、さまざまな支援方法をご用意しております。詳しくはHPを。http://www.daichi.or.jp/info/news/2011/0323_2686.html


Q11
魚はどこで何を食べたか不明なので、大地を守る会は、サンプル測定でなく全量測定できないか?

A11
測定に時間を要するため、全量測定はできません。大地を守る会の取り扱う魚は、生産者がはっきりしているので、おおよその漁場特定はできます。畑同様、国や漁協での測定も始まったので、参考にしながら漁場や海流などから、サンプル測定していくことになります。


Q12
作物・土壌が汚染された生産者に対する、大地を守る会の今後の関係の持ち方のビジョン聞かせて。

生産者からはどのような声が?

A12
これからも関係は継続していきます。作物は引き続き自主測定してその結果検証をしていきます。土壌については現在、専門家を交えて何ができるかを検討しているところです。

・復興までの道のりは長いと思われますが、地震直後のみなさまの言葉に励まされ、原料情報を取ったりと前向きに励んでいます。ただ一日一日心が揺れ動いているのも現状です。本当に厳しい現実の前に不安が押し寄せてきます。ある避難所暮らしの人の言葉ですが、3食避難所で頂きほとんどの人が後はやることがないので、人間がだめになって行くような気がすると言っておりましたが、私達大地さんの取引先は大地さんが待っていてくれると思い、先に進む考えができる事が幸せです。
・被災で大変だったけど、どうにか頑張ってる。でも買ってくれない。今まで、できる限り安心なものを届けてきたのに何なんだろうと思ったりした。
・運送屋さんが(支援の)段ボールをいっぱい持ってきたのでびっくり!なんせ、狭いアパートぐらいなので、段ボールで寝るところもなくなっちゃう。だけど、ちょうど雨降りだったので漁協の女性を集めて、みんなに配りました。暑くなってきたので、本当に助かります。皆さんにお礼を言ってください!


Q13
自宅でガイガーカウンターで計測することに効果はあるか?
水(水道水・浄水器)や野菜(水洗い前後、湯でこぼし前後)の放射能濃度を個別に測ってみたいので、方法を教えてほしい。

放射能量を減らして、野菜や魚介類を食べる方法を教えてほしい。
ヨウ素は洗い流せるようだが、セシウムは?

田畑周辺に、放射性物質を吸収する植物を植えるといいと聞くが、その後の吸収した植物はどのように処分するか?

A13
市販のガイガーカウンターで食べ物の汚染量は計測できません。ガイガーカウンターはあくまで空間線量を計測するもので、強弱はわかりますが、何ベクレルかという数値はわかりません。

野菜表面の付着は、当社依頼の実験ではセシウムの検出がなかったため除去率は不明ですが、ヨウ素は水洗いで1/4、水洗いしてゆでると1/2除去できました。報道などでは、複数の専門家が、葉もの野菜の表面についた放射性ヨウ素、放射性セシウムとも、水洗いをすると10〜30%程度は落ちるといっています。
次の収穫物で根から吸収された場合は、洗っても落ちません。魚貝類も、汚染の少ないものを選択していくしかありません。

放射性物質を吸収した植物は、再び畑に鋤きこまずに、袋に入れて1ヶ所にまとめておくとよいでしょう。


Q14
・東京都水道局の数値をどこかで知る術はないか?
・20Bq以下の微量であれば、心配しなくていいのか?
・活性炭で水の放射能汚染は除去できるのか?水道局が対策として活性炭を投じているが、効果はあるのか?

A14
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/w-past_data.htmlで詳細を公表しています
20Bq以下は、心配しなくてよいレベルだと思います。リスクはゼロではないですが、東京近郊では必ずペットボトルの水を使わないといけないということはありません。活性炭の効果はわかりません。


Q15
湧水は放射能汚染されるか?どのような影響が?

食物連鎖による濃縮が心配。大魚/小魚だと、小魚の方を食べた方がいいのか?
今後、海の汚染の展開はどうなるか?

原乳からヨウ素が検出されたが、汚染ルートは?エサ?水?

「牛肉について」産地から検査所に運ばれるまでの間に使用されたパッケージが汚染されていたことがわかったと報道で読みました。この情報は間違いか?

A15
今の状況下では、湧水は汚染されていないと思ってよいでしょう。

一般論としては小魚より大魚のほうが汚染量が多いと考えられますが、実際のところはわかりません。現時点での海水測定は、福島第一原発30km程度だったと思いますが、今後の展開はわかりません。

原乳の検出は、エサからの割合が高いかもしれませんが、両方です。

「牛肉について」は後日、間違いが発表されました。


Q16
政府の測定はどれくらいの頻度でしているのか?その数値は野菜を水で洗った後か?

葉物以外の青果の放射能汚染はどれくらいか。米などは?
ニラとほうれんそうの数値が違っているのは何故なのか?

A16
政府の測定頻度は不明です。検体はものによりますが、出荷する状態で測定しています。

ヨウ素は半減期が8日と短いため、米の収穫には関係ないと考えられます。作付けにおいて、国はセシウム5000ベクレル/kgの基準をつくりましたが、検査してみないとわかりません。根菜類も今のところ、汚染については検出されてません。
数値が異なるのは、降り積もった場所と、作物の表面積で決まります。(ニラとほうれんそうでは、ニラの表面積が小さいなど)


Q17
原発の代替エネルギーでは電力をまかなえないのか?
それらの世界の普及状況は?

原発への費用を各戸や各マンションに太陽光パネルを設置する費用にあてて、個人の責任で発電できる仕組みにならないか?

デモや署名運動以外に原発を止めるためにはどのようなインパクトのある活動をすればよいのか?

A17
省エネと太陽光/風力/バイオマス/小水力などを最大限活用しながら計画的に建設して、潜在的な発電量を有効に活用すれば、まかなえると思います。
工場などは消費電力が大きいので水力を利用するとか、組み合わせを工夫すれば、原発に頼らない社会は作れます。
ISEPのHPに自然エネルギー白書が掲載されているので、世界の普及状況はわかります。日本は世界の普及率に比較して、かなり遅れているといえます。http://www.isep.or.jp/

太陽光パネルを設置する補助金に、原発受け入れの自治体への膨大な交付金とか、もんじゅなどの研究費などをあてることは可能です。私たちは原発の受け入れの際の交付金を太陽光パネルの設置の補助金にあてるよう要求してきましたが、導入されては打ち切られていましたが、今後はその声が大きくなるでしょう。

デモや集会、署名も大切な行動です。インパクトとしては、より具体的な活動。事故時の点検をより十分にするように求めていくとか、耐震安全性も十分になされるように働きかけていって、条件を満たさないようなものはとめるみたいな形に持っていければいい、これはインパクトのある活動です。

posted by とめよう会 at 09:49| 千葉 ☔| Comment(0) | FAQ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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